ホテル・旅館など宿泊施設様では、お客様を呼び込む為にどんなことをされてますか?
ここでは、宿泊施設様側の立場から集客のために必要な考え方や集客のテクニック、
どうすれば、売上を最大限にまで高めていけるのかを運営戦略を交えて解説していきます。
私は元ホテルマンで現在、宿泊施設の運営コンサルタントをしており、
ビジネスホテルからリゾートホテル、旅館、コテージなど数々のホテルを再生させてきました
直近の7年間では、携わってきた施設の売上は前年超えの実績を上げております。
ホテル運営に関して、少し専門的な記述となります。
- ホテルで宿泊プランを作っている。
- お客様の集客は具体的にどうやればよいのか知りたい。
- ホテルの販促企画を任されている。
- 売上が伸び悩んでいる。
- ホテル責任者としてWEB運営を勉強したい。
というような人向けの内容となります。
それでは、宿泊先を探している人が、実際に宿泊施設を選ぶときの行動としては?
- 宿泊予約サイトで、日付と行き先を決めて検索する
- 検索順位の上位から順番にホテルのページを見に行く
- 掲載されている画像や口コミ、プラン内容、料金をチェック
- 気に入ったプランと料金をチェックし、次のホテルを更にチェック
- いくつか候補に挙がったホテルの中から一番気に入ったホテルを予約する
といった流れでしょうか?
それでは、宿泊施設側ではどのようなことを行なっていくべきでしょうか
そうです!
まずは、お客様を呼び込むための商品(=宿泊プラン)を作らなければ、お客様には来てもらえません。
そして、その商品はお客様に選んでもらえるプランにしなければいけません。
続いては、具体的にプラン作りについて考えてみましょう!
ホテルの宿泊プランを作ろう
まずは、お客様を迎え入れるための宿泊プランを作りましょう!
お客様に選んでもらえる宿泊プランとは、どのようにして作ればよいのか?
ホテル・旅館によって作るべきプランは異なりますが
一般的なプランとしては
- 素泊りプラン
- 朝食付きプラン
- 夕食付プラン
- 2食(夕朝)付プラン
くらいでしょうか?
この中でも、例えばビジネスホテルなら夕食プランは不要でしょうし
旅館では、素泊まりプランはなくてもよいかもしれません。
用意する宿泊プランは、宿泊施設によって異なってくると思いますので、自分の施設で必要な商品(宿泊プラン)をピックアップしてください。
次にプランを作る際に大事なことが2つあります!
- プランの差別化をする
- 宿泊施設の強みを告知する
恐らく、皆様の施設の周りには他にもいくつかの宿泊施設があると思います。
その施設の中でも、他とは違うというところをアピールする必要があります。
そして、自分の施設には、こういう良いところがあるんです!という強みを告知することで
宿泊施設を探しているお客様に興味を持ってもらうことができます。
例えば、朝食付きプランを作る時は
- 1泊朝食付きご宿泊プラン
- 地元新鮮野菜をふんだんに使用した朝食付き!ご宿泊プラン
単純に「朝食付き」ということを記載するだけではなく
他とは違いますよということが分かるような説明を入れたプラン名をつけることで
プランの特徴が明確化され、他社のプランとも差別化ができるようになります。
また、そのプラン名の前に施設の強みを追記すると更にお客様に刺さる魅力的なプランにすることもできます。
例えば
【朝日に照らされた眼下に広がる絶景を満喫】
【駅から徒歩5分!目の前にコンビニもあって超便利】
などなど
そして、ここもポイントなんですが、
宿泊プラン名を考えるときは、予約サイトにもよりますが、おおよそ50文字程度は入力できるので、できる限り文字数制限いっぱいまで使って、プラン特徴を表現するようにしてください。
プランを作るコツは、
- 他社プランとの差別化する
- 自社施設の優位性・お得感を明確化する
- 50文字使ってプラン名で内容をアピールする
こうすることで、お客様にプランに興味を持ってもらい
プラン詳細チェック → 予約成立 へ繋がっていきます!
宿泊施設の露出を増やそう
売り出す商品が出来上がったら、次は、販売先を増やしましょう!
新聞・雑誌・フリーペーパー・インターネットなどなど
今や多数のメディアが乱立する情報社会です。
それでは、何に告知するのが、良いでしょうか?
結論から申し上げますと、「全てのメディアに掲載する」ことが一番良いでしょう!
なぜなら、1人でも多くの人に情報が届くことで利用者が増える可能性を高めるからです!
但し、本当にそれが必要なのかどうか?
費用対効果というものを考えることも重要です!
広告宣伝費が無制限に使えるならば、全てのメディアに告知し続けてもよいですが
実際に集客に結び付く媒体が何なのか?
ということを比較検討しながら、集客に有効な媒体を探してみてください。
エリアやシーズン、ターゲットによっても大きく異なりますので
告知を打つときは、
- どの時期に
- どのような相手(ターゲット)に
- どのようなプランを
- どのくらいの価格で
- どの媒体に出すのか
以上の事を考えて、効果的な告知を打つ必要があります。
とはいえ、それだけではお客様は集まらないので
常に、ホテルのプラン販売を行なう必要があります!
それでは何が効果的なのか?
何を使えばよいのか?
それにはやはり、即効性があり直近から先々の予約にも対応できる
インターネット販売の強化が必要です!
そんなこともうやってるよ!という方もいらっしゃるかもしれませんが
現在、国内サイト・海外サイト・比較サイトとかなり多くの予約サイト(OTA)があります。
あなたの施設では、いくつのOTAにプランを掲載していますか?
大型ホテルなどでは、10~20サイトには掲載しているでしょう!
管理をする労力を考えると先ほどの告知媒体のときと同様、全てのOTAを使う必要はないかもしれませんが、OTAの数を多くすると
約 ・施設の露出度 アップ
サ ・ページビュー(PV) 増加
イ ・施設の認知度 アップ
ト ・宿泊検索 増加
↓ ・予約数 増加
多 ・売上 アップ
予約サイトを増やせば、増やすだけ、あなたの施設を見てくれる人が増えるため、売上は伸びていく可能性が高まりすので、
できる限り多くのOTAに参画し、プラン掲載することをお勧めします!
但し、予約サイトの数が多過ぎると管理ができないという施設様の場合は、
集客力のあるサイトとそれほど頻繁に予約が入らないサイトを区別することで効率よく集客に結び付けるのが良いでしょう!
それでは、どの予約サイトに参画すべきなのか?
売上に大きな影響を与える予約サイトとしては
- じゃらん
- 楽天トラベル
- Booking.com
この3サイトくらいまでは、参画するようにしてください!
次に予約のボリュームが大きいサイトが
- Yahooトラベル
- るるぶ
高級ホテル・旅館に分類されるなら
- 一休.com
- Relux
平日の集客に力を入れたいならシニア層を狙った
- ゆこゆこ
インバウンド(外国人)対策をしたい施設様は
- agoda
- Trip.com
- Expedia
これくらいの予約サイトには参画した方がよいでしょう!
但し、サイト管理の手間と売上の増加幅からどこまで参画するかは、ホテルごとでの判断が必要です。
逆に、まだまだ余力がありもっと多くの予約サイトに参画したい施設様には、
宿泊予約サイト一覧をご用意しましたので、こちらから手続きしてみてください。
宿泊プランも作って、予約サイトにも参画した
次は?
宿泊料金とお部屋の管理ですね!
2~3サイトだけなら何とか
各サイトの管理画面で設定すれば、できなくもないのですが、もっと簡単で便利な方法があります!
もちろん、ご存じの方も多いと思いますが
「サイトコントローラー」を使って、部屋管理を行いましょう
これは、有料のシステムになりますが
参画している全予約サイトを一元管理できる画期的なシステムなんです!
- 部屋数が多い
- 稼働率が高い
- 予約サイトを触れる時間があまりとれない
といった施設様には、とても有益なシステムです。
サイトコントローラーを導入しよう
多くの予約サイトに参画する場合には、
「サイトコントローラー」を使って管理することをお勧めします!
なぜなら、
- 全サイトへ同時に同じ部屋数を提供できる
- 料金調整がボタン一つで切替えられる
- 提供部屋数の調整も一括管理できる
サイトコントローラーといっても、多くのシステムが提供されております。
一般的には
この4種類がメジャーなコントローラーになります。
どれも最低限必要な機能は搭載しているので
どれが良いかというのは、一概には答えられませんが
どんな機能を重視するかということで、選ぶコントローラーも異なってきます!
簡単に特徴を説明すると
- ネットエージェント(じゃらん、楽天トラベルなど)を主体とした施設様には「手間いらず」
- リアルエージェント(JTB、日本旅行など)との契約が多い施設様には「TL-リンカーン」
- お試しで費用を抑えたい施設様には「ねっぱん」
という感じですね!
予約サイトの特性を見極め、効果的な企画に参加しよう
各予約サイトは、それぞれの特徴を持っています。
そこを見極めて、ターゲット(客層)に応じたプランを提供することが有効だと思います。
例えば、
楽天トラベルでは「楽天スーパーセール」を開催しています。同じく、じゃらんでは「じゃらんバザール」など
→ ポイントを上乗せしたプランや特典を付加して通常よりお得な料金プランを作って、販売するようにしてください!
他にも、参画している予約サイトから企画のご案内が流れてきますので
逐一、目を通して施設に対応できそうな企画にはどんどん参画するべきです。
参画無料の企画はもちろん、有料企画はその企画に応じた魅力なプランを作れるなら参加してみてもよいでしょう!
先にお話しした露出を高めるという点でも
企画に参加するというのは、集客を増やす戦略の一つになります!
特に有料企画に関しては、当然のことながら費用が掛かりますので、どんな企画に参加すべきか?ということを費用対効果として検討してみる必要がありますね!
参画費用は、何組の予約を獲得すれば元が取れるのか?
しっかりと見極めたうえで、結果の実績検証を必ず行ってくださいね
ネットエージェントの企画は、毎年繰り返されるものが多いので色々試してみて、
うまくいけば次年度はもっと大きな枠で参画しようとか
効果が出なかったので、今年はやめようという判断基準ができますので、企画に対する結果を積み重ねていってください。
ホームページに自社の予約サイトを作ろう
じゃらんや楽天トラベルで予約が取れるようになってきたら、ホームページ(HP)に自社の予約サイトを用意しましょう!
これは、もちろん経費削減のためです!
じゃらんや楽天トラベルなどのOTA経由の予約には、6%~12%程度
JTBなどリアルエージェントでは、15%前後の送客手数料を支払わなくてはいけません。
そんな送客手数料を少しでも下げるために、自社の予約システムを導入しましょう!
予約システムにも無料のものと有料のものがありますので、あなたの施設が何を使うのか?は
予約システムの費用や機能、使い勝手をよく検討したうえでお選びください。
ここでは、簡単に導入できる無料の予約システムをご紹介しておきます。
- じゃらんの「HPDS」→見た目は少し貧相に見えるが、独自のプラン・料金設定が可能
- 楽天トラベル「R-with」→見た目はよいが、楽天トラベルと同料金・同プランしか作れない
自社予約サイトを作る理由は、
他の予約サイト経由の予約を自社経由に切り替えることで、送客手数料を削減するのが狙い!
そのための戦略としては、他のサイトより料金を下げて販売することや他にはない特典を付けることが不可欠です!
また、需要が見込める繁忙期には、他社からの予約を売止めし、自社の予約サイトだけでプラン販売することで、値下げすることなく予約受注することもできます。
このような自社サイトでの販売戦略を考えていく上では、独自の料金設定ができない楽天トラベルのR-withシステムは不向きなのかもしれませんね。
また、有料の予約システムについては、ご参考までに
人気のあるものをいくつかピックアップしておきますね!
導入するには、それなりの費用が発生しますので
まずは、じゃらんのHPDSを使用してみて、売上が上がってきたら、
第2ステップで独自の予約システムの導入を検討してもよいかもしれませんね。
料金設定を見直そう
次に、自社HPにて予約サイトを立ち上げ、自社予約を増やすため、自社の予約サイトで販売する料金を決定しましょう!
先でご説明したように、自社の予約サイトの料金が最も安くなるように設定するのが基本です!
よくHPに掲載されている「ベストレート保証!」(自社サイトが最安値であることを証明しています)というやつです。
自社サイトの料金が決まれば、その料金をベースとして全サイトの料金設定を変更しましょう!
料金設定の際の注意点ですが
いくらHPがベストレートだとしても、他の予約サイトより10%以上は下げるのはやめましょう。
これでは、経費は削減できますが、売上も下がってしまいますので・・・
お客様との会話からヒントをもらおう
チェックインやチェックアウト、お部屋へのご案内時、食事のタイミングなど
スタッフがお客様と会話できるチャンスはたくさんあります!
皆さんの施設には、お客様から頂戴したお話(情報)を吸い上げられるシステムを作ってありますか?
とても有益な情報を聞いていたとしても館内の全スタッフや施設の管理者まで情報が流れてこないとただの世間話で終わってしまいます。
そう、情報は共有されて初めて価値に替わるのです!
例えば、
引継ぎ帳を用意したり、朝礼や夕礼などの機会に報告することで、お客様から頂いた情報は館内で共有してください!
何気ない会話から機転を利かせた対応を行なうことで、お客様からの信頼も得ることになります。時には、サプライズ演出になり、喜ばれるなんてこともあり得ます。
また、予約サイトの口コミ投稿には、特に注意してください!これから泊まろうと考えている人もホテル側スタッフにとってもとても重要な情報になります。
実際に泊まった人の感想なので、すぐに改善点すべきことや普通だと思って気付かなかったことでもお客様には喜ばれているようなポイントを教えてくれるものです。
こういった情報をもとに、お客様のニーズを考えれば、自分の施設での強みがわかり「売れるプラン」が作れるようになります!
料金コントロールをおこなおう
自社の予約サイトの料金と他社の予約サイトの料金が決まったら、売上を最大限、高めていけるように日々料金コントロールを行ないましょう!
レベニューマネージメント(RM)という言葉を聞いたことはないでしょうか?
これは、飛行機業界から派生してきた考え方なんですが
需要の高い日には、値段をできるだけ高く売り
需要の低いには、値段を下げてでも客室稼働率を高める
となるように調整するのが、RMの考え方です!
これを実際の運営に取り入れていくことで、年間の売上は大きく変わります!
今までは
- 日曜日~金曜日 10,000円/人
- 土曜日 +2,000円/人
- 特別繁忙期 +3,000円/人
※GW・お盆・年末年始
のようなざっくりとした料金で販売していた施設なら
RMを導入するだけで年間110%~120%程度の売上アップは見込めます!
サイトコントローラーを導入したら
日々の販売価格の調整を行い、売上アップを目指しましょう!
コスパを意識しよう
お客様が予約してくれたのは、あなたの施設に何らかの魅力を感じたから
- 立地(観光地)
- 施設(温泉・客室・設備)
- 料理(朝食・夕食)
- ?
では、そのお客様が帰る際、良かったと思えるのは?
- 施設(温泉・客室)
- 料理(朝食・夕食)
- 接客態度
- ?
お客様の満足度は
支払った代金に見合ったサービスや料理を提供されたかどうかです!
いわゆる
コスパです!
お客様にコスパが良かったと思われる接客・料理を心掛けましょう!
接客でいえば、お客様がもういいよって言うくらいまで、サービスを徹底できれば、必ず喜んでもらえます
料理でいえば、これはお客様だけのサービスです!って言って、何か1品サービスするだけで満足度は上がります!
そして、閑散期は通常のプランが
「なんと!半額でご利用頂けます。」のような文言をつけて、お得な料金設定で販売すれば、この値段でここまでしてくれると感じて、お得感がアップします!
いつも稼働率が80%を超えるようなホテルなら
このような仕掛けは不要ですが
閑散期というのは、どのホテルも販売価格を下げてでも集客しようとしますよね!
通常プランを値下げにするのではなく、
何か付加価値をつけて、更にこんなお得な値段で!ご利用頂けます。
とプラン名に魅力的なコメントを追加するだけで
コスパの良い満足のいくプランに生まれ変わります!
閑散期には
あれもこれもついてこの値段!今ならさらに〇〇プレゼント付き!みたいな
コスパ重視の目玉メプランを検討してみてください。
リピーターを獲得しよう
接客業にとっては、当たり前の事なのかもしれませんが
具体的にどのような対策を取っていますか?
皆さん、口では言っているのですが、実際には何もできていない。
もしくは、
やりっ放しで手を付けられていないのが
顧客管理です!
顧客管理ができていないと
新規客なのかリピーターなのかすら不明です。
まずは、顧客管理ができる体制を整えてください。
同じお客様が2回目に来たときは、お名前でお出迎えしましょう!
正直、大きなホテルの場合は、よっぽど印象に残るような人以外はなかなか覚えられないと思いますが、その人との会話をメモっておいて、ホテルシステム(PMS)などに記載しておくと
チェックインの担当者がそのメモを見て、前回の会話から話を広げることもできますし、
ご指摘があった点に関しては、
前回に対して、今回はこのように改善してますなどと対応できるのです!
この対応が、お客様にとっては嬉しいものなんです!
自分の事を覚えてくれていたと思うと優越感を感じ、また来たいと思ってもらえるものです。
この優越感こそがリピートしたいと思わせる原動力になるのです!
例えば、ダイレクトメール(DM)を送るのも一つの戦略ですが、お客様からしてみれば、顔の分からない人からのDMではありがたみも薄れるでしょう!
もちろん、自分が大好きなホテルから特別な優待券が送られてきて喜ばない人はいないと思いますが、所詮、何千人・何万人のうちの一人に過ぎません。
そう!DMでは、特別感が演出できないのです!
でも、現場でのこのような待遇は、忘れません。
それは、自分だけのための演出だからです!
特別なんです!
それが、優越感なんです!
このような些細なことであっても
お客様の心に刺さる接客ができれば、リピーターは増えていきます。
是非、現場で働く皆さんに
お客様に優越感を与えることができるようなサービスマンになってもらいたいと思います。
自然とこのような流れができるようになれば、あなたのホテルは、お客様で溢れていることでしょう!
これからの従業員の皆様のご検討をお祈り申し上げます。
最後まで、お読み頂きありがとうございました
こちらの文章であなたのホテル・旅館に何か少しでも変化が起これば、幸いでございます。